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映画の紹介とかいろいろ(ネタバレあり)

その特殊なスタイルと独特な演出「家族ゲーム」その2 

   

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この映画で目を引くのは
リヴィングに登場する横一列の食卓である。
それはあたかも名画「最後の晩餐」のようでもある。
森田は映画完成後のテレビのインタビューで
「住宅展示場のカウンターキッチンを見て、このアイデアを思いついた」
と語っている。

「食事の時にお互い顔を合わせずに済むライフスタイルは、これから主流になるかもしれない」
とも語っていた。

確かに面白いアイデアだし、この映画の一つのスタイルの代表的なビジュアルである。

しかし実のところこれは、製作費の事情によって捻りだした苦渋の決断だった。
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当初、森田は複数のカメラを使用して
食事シーンを目まぐるしい編集によって表現したいと考えた

しかし低予算(製作費3000万円ほど)の現場で
複数カメラの使用なんてのは到底無理である。

そして切り返し撮影の手間なども16日しかない撮影期間では
不可能な話である。

そこでカメラを切り返さず、カットも割る必要のない
横長テーブルに役者を一列に並ばせて撮影する事にした。
この節約が映画「家族ゲーム」の成功に繋がったのだ。

他にも登場人物やカメラも動かずに
備品や家具が移動して隣の部屋にジャンプする驚くべき撮影方法も
時間の節約の中で考え抜かれた、奇抜で斬新なアイデアであった。
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このように森田は工夫と閃きによってこの映画を完成させた訳であるが
これが従来の日本映画のやり方を踏襲しない独自な表現となって
今でもその天才性には驚かされるのである。
この映画のもう一つの特徴は音楽を一切使っていない点である。
レコードを聴くシーンでさえ、音は消される。
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これも製作費の節約なのかもしれないが
成功しているのだ。

映画音楽ファンとしては残念でもあるが
実はこの映画は効果音や役者たちの魅力的な会話によって
音楽映画のような印象をも感じさせるのだ。
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家族ゲーム その1

 - 邦画